古代から受け継がれた「くろもじ」は、日本の代表的な国産ハーブです。
日本の草木の種類は数千種におよび、その中で特に使われてきた日本固有の「香り」です。縄文時代の有名な古墳である丸山古墳近くの林のなかにも生育が確認されています。今でも日本の山地に自生しています。
その「くろもじ」が、その香りと機能性で、和精油として今再注目されています。和精油として「くろもじ」は高級品です。クロモジの採油率は低く、0.1~1%ほどにすぎず、抽出にも時間がかかるためです。かつては日本特産の香料として欧州に輸出されていました。
ところで、クロモジの色素で草木染をすると薄いピンクになります。赤系は生命力の色、究極の有効成分は色素です。
● 「20世紀の恋人」マリリン モンローとシャネルN°5
1950年代、アメリカの世界的女優でありモデルであった「マリリン・モンロー」が、ベッドでは何を着ていますか? と聞かれて「ベッドで身にまとうのはシャネルN°5を数滴だけ」と答えたのは有名な話です。
世界一有名な香水でありながら、謎めいた香水「シャネル N°5」。「シャネル N°5」には、当時香りの主成分として抗不安・鎮静作用が期待できるリナロールを多く含むアマゾン産の「ローズウッド」が使われていました。今では本物の「ローズウッド」を使った製品は少なく、合成的に作ったリナロールの香料が使われています。そのため、リナロールの生理な効果は期待できません。
クロモジの香りの主成分は、抗炎症、鎮静作用のある「リナロール」です。リナロールは、花の香りが特徴で心落を落ち着かせます。ローズウッド、ラベンダー、ベルガモット、スイートオレンジ、ベルガモット、イランイランといったアロマテラピーで人気の高い香りに含まれる成分です。
バラの香り成分「ゲラニオール」と花の香りのリナロールは、世界トップクラスの香り成分です。
リロナールを主成分とする「ローズウッド」は、人気の高さから絶滅危惧種にもなっています。よって、リナロール主成分としゲラニオールを含む「くろもじ」は、世界的に需要が増してくると予想されます。
東京BIGサイト 国際化粧品展 出展 2023/1